漫画を描くために最初にすること
 自分のジャンルを考える ……セールスポイントは何?
 ターゲットについて考える ……どこが自分を買ってくれる?
 普段から心がけておきたいこと ……毎日がネタ拾い

 自分のジャンルを考える

 まず、自分の描く作品や描きたいものが、どんなジャンルなのかを把握しましょう。同人誌などで、自分が版元になっているならかまわないのですが、プロの漫画家になって、出版社の雑誌に掲載されることを希望するのであれば、まず、なにが自分の「売り」なのか知っておく必要があります。

 また、自分はどんなことを表現したいのかを言葉で説明できるようになっておくのも、目標がはっきりしますし、将来雑誌の編集さんに質問されたときに即答できるので、なるべく普段から考えておきましょう。

 もちろん、あまり早くから自分のジャンルを固定して幅を狭くすることはないのですが、なにか得意なことを一つでも持っているとあとで必ず役に立ちますから、漫画以外の特技を磨いておくのも有益なことです。

 将来いろいろなものを描くこともあるでしょうが、今現在の自分の力に見合った作品作りをすることは、基礎力をつけることもなりますし、仕事として漫画を描いていく以上は相手のニーズに敏感であることも大切です。
 ターゲットについて考える

 自分の描きたいものがわかってきたら、今度はそれをどこが掲載してくれるかどうかを考えましょう。この「考え方」には二通りあって、自分とある程度近い画風(作風)の作家がいる本の方が受け入れられやすいというものと、自分と似た作家がいない雑誌の方が需要がある、というものです。

 このことは判断が難しいのですが、私の個人的な意見を言わせてもらえば(なにもかも個人的なコーナーなんですが…(^-^;)自分と 似たジャンルで一番人気のある作家がいる雑誌のライバル誌を狙ってみるのはいい方法ではないかと思っています。
 つまり、「ああいう作家がうちも欲しいな」というところに行けば仕事につながりやすいというわけですね。

 もしもあなたが、「漫画家になれるならなんでも描く」というタイプなら、相手の欲しがっているものがなんなのか見抜く力をつけましょう。

 当たり前のことを書いているように見えるかも知れませんが、案外こうした基本的はことは忘れてしまいがちです。常に、自分の作品は誰かに見せるんために描いているんだと意識し続けることが、プロの漫画家にはとても重要なことなのです。   
 普段から心がけておきたいこと

 漫画は、あなたの人生の切り売りです。実体験ではないにしても主人公のものの考え方や、行動パターンには、必ずあなたそのものが出てしまうものです。
 逆に言えば、あなたとは全く違う行動を取る主人公は、あなたが頭の中だけで作った人格ということになるのでリアリティが出ない場合があります。(脇役はこれに限りませんが)

 これはつまり、あなたという人間の幅があればあるほど、描ける人間のタイプも多くなるということですから、なにかを吸収したり勉強できる機会があれば、なるべく逃さずにモノにして下さい。
 また、普段から何に対しても、その物の持つ「構造」に興味を持つように心がけましょう。「きれいだな」と思ったら、どうしてきれいなのか、他のものとはどこが違うのか。また、なぜそうなったのか、や、これからどうなるのかについて考える癖をつけておくことは、ストーリー作りの基礎力をつけることになります。

 時事ネタに敏感であることも大事なことなので、なるべくニュースや新聞記事には目を通すようにして下さい。
 これは現代ものを描きたい人だけに限りません。例えあなたが歴史物やSFを描きたいのだとしても、読者は現代人なのですからその読者に共感してもらうために、今世の中ではなにが起きているのかを知っておくことは重要です。
 読書や映画鑑賞も同じで、表現手法は違っても共通点は多くありますから、なるべくいい作品に触れるようにしましょう。
 ただ、いい漫画をたくさん読んでも、漫画にインスパイアされた漫画は所詮二番煎じになってしまうし、同じ表現方法で同じ物を作ってもビデオテープのコピーがだんだん劣化していくようにつまらなくなっていくものです。いい漫画は、純粋に楽しむだけにとどめましょう。