April 28, 2006 Friday 

愛する人は毒入り

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山藍紫姫子 ビブロス ビーボーイスラッシュノベルズ

「養子」として引き取られる約束で訪れた若菜(男性)は、養父となる宇治谷と妖しい美少年・馨との関係を目撃してしまう。馨の魅力に抗えない若菜は、やがてある特殊な「儀式」に取り込まれて行く。
…という、全員男性の妖しい関係の物語であるが、途中ずっと提示されているある謎が、ラストで鮮やかに、しかもとても簡潔に説明されているのに目を瞠った。

もちろん、行為の描写は濃厚で大変刺激的である。

ISBN4-835-21778-0 ¥850+税

投稿者 Miyuki Noma : 19:14

April 27, 2006 Thursday 

オム・ファタール—運命の男

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山藍紫姫子 フロンティアワークス ダリアノベルズ

「背徳の聖者たち」の続編。登場人物達の関係が更に複雑に濃厚になっている。
また、物語の背景にある「設定」についても詳しい描写があり、大変楽しませていただいた。

登場人物はもちろん全て男性で非常にエロティックなので、免疫のない方は要注意だが、こういった世界があることを知っておくのも悪くない。(笑)

ISBN4-861-34012-8 ¥900(税込)

投稿者 Miyuki Noma : 19:00

背徳の聖者たち

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山藍紫姫子 フロンティアワークス  ダリアノベルズ

ボーイズラブ小説の巨匠である山藍紫姫子さんの作品だけあって、大変に濃厚な描写の連続である。
苦手な方にはお勧めしないが、この作品は一種の「仕事人」ものとしても楽しめるので、BL系に抵抗のない方にはお得な一冊である。
設定が大きいので描き切るにはかなりの力量が必要と思われるが、その辺りはさすがに巨匠。お見事だと感嘆した。

ISBN4-861-34007-1 ¥900(税込)

投稿者 Miyuki Noma : 18:47

April 04, 2006 Tuesday 

運命のバカンス

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アイリーン・ウィルクス ハーレクイン シルエット・ディザイア (D952)

カンザスでスペイン語を教える平凡な女教師であるジェーンは、バカンスで訪れたカリブ海の島でゲリラ戦に巻き込まれてしまう。
危ういところを助けてくれたのは、バスで一緒だった謎の男「ジョン」だった。二人は逃げる途中で関係を持ってしまうが、帰国後、身体の変調に気づいたジェーンの元にジョンが現れてプロボーズをする。

おそらくこの著者は、こういう設定の話が得意なのだろう。「プロポーズのゆくえ」の第三話「口づけは甘い罠」に少々近い雰囲気がある。
しかし、この話の後半はジェーンの住むカンザスの小さな街が舞台であり、前半とのギャップもまた楽しい。

ラストでジェーンがある「活躍」をするシーンは、とても好きな設定で心に残った。

ISBN4-596-50952-2 ¥610+税

投稿者 Miyuki Noma : 18:35

年上の恋人

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アイリーン・ウィルクス ハーレクイン シルエット・ディザイア(D1092)

亡き両親に変わって幼い弟妹の面倒を見てきたベンは、40歳にして独身であったが、ある日交通事故を起こしてしまい、瀕死の所を謎の女性シーリーに助けられる。
シーリーに一目惚れしたベンは、休職中の彼女に自分の看護を依頼し、二人の生活が始まるが、シーリーにはある特殊な秘密があった。

この、シーリーの秘密とは、特別な「能力」なのであるが、これがこのストーリーに不思議なムードをもたらしている。ある意味、SF的な設定でもあるが、ロマンス小説にそれがしっくりとはまっているのもこの作者の力量なのかも知れない。とても面白く読んだ作品である。

ISBN4-596-51092-X ¥610+税

投稿者 Miyuki Noma : 18:19

April 03, 2006 Monday 

口づけは甘い罠

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アイリーン・ウィルクス
シルエット・ディザイア—プロポーズのゆくえ (D969)

「プロポーズのゆくえ」三部作の最終話。末弟のマイケルが主人公であり、前2作とはうってかわって、内戦中の南アメリカ某国が舞台となっている。
布教の手伝いに某国に入っていた未亡人であるA・J は、ゲリラに誘拐されたところを軍の特殊部隊に所属しているマイケルに救出される。しかし、敵の追っ手から逃げる途中、ジャングルで生死を共にするうちに二人の間には熱い感情が芽生えるのであった…という、ロマンスとしてはちょっと意外なストーリーである。

また、三部作のラストということもあって兄弟が結婚を急がなければならなかった理由についても決着が付き、3作読み終わるととてもスッキリした気分を味わうことが出来る。

ISBN4-596-50969-7 ¥610+税

投稿者 Miyuki Noma : 18:10

愛し方がわからなくて

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アイリーン・ウィルクス
ハーレクイン シルエット・ディザイア—プロポーズのゆくえ (D965)

「プロポーズのゆくえ 」の第二話。次男のルークが主人公である。乗馬の元オリンピック金メダリストのルークと、将来有望な乗馬の選手であるマギーの物語であるが、「急いで結婚しなくてはいけない」理由を抱えているルークは、親から競技を続けることを反対されているマギーと一時的に「契約」の結婚をする。しかしもちろんロマンス小説なので、契約のままで終わるわけはないのだった。(笑)

ある意味王道であるが、長男がビジネスシーンを舞台にしているのに比べ、一転して舞台が牧場となるのが新鮮である。ヒロインも若々しく、とても好感を持って読むことが出来た。

ルークは次男ということもあり、少々跳ねっ返り風に描かれているが、美青年という設定なのも楽しい。

ISBN4-596-50965-4 ¥610+税

投稿者 Miyuki Noma : 17:58

ハートの秘密

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アイリーン・ウィルクス
ハーレクイン シルエット・ディザイア—プロポーズのゆくえ (D961)

ウエスト家の三兄弟が、それぞれ結婚に至るまでの話を描いた「プロポーズのゆくえ」三部作の第一話。まずは長男のジェイコブが主人公である。

これはもしかすると、ハーレクイン独特のカテゴリである「社長と秘書」ものに近いかも知れない。
仕事の鬼で、金融界の「アイスマン」と呼ばれているジェイコブと、ストーカーの暴走によって社交界のスキャンダルに巻き込まれてしまったクレアのラブロマンスである。

ウエスト家の三兄弟が、なぜ急いで結婚しなければならないのかという理由が冒頭に説明されているが、その結末も気になるところだ。

ISBN4-596-50961-1 ¥610+税

投稿者 Miyuki Noma : 17:48

ひとりぼっちが怖くて

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アイリーン・ウィルクス ハーレクイン シルエット・ディザイア(D861)

「目撃者」が面白かったので、その主人公ラズの兄、トムを描いた方も読んでみることにした。
どちらかと言えば、トムの視点よりはヒューストンで新聞記者として活躍するジェイシーの視点で描かれた作品だが、最前線の職場で働きながら恋愛に悩む現代アメリカ女性をうまく描写した作品だと思う。

アイリーン・ウィルクス氏という作家にとって、これは(「目撃者」も含めて)初期の作品であるせいか、ところどころ登場人物の心の動きが掴みにくいところもあるのだが、そのわかりにくさもロマンスの味付けになってしまっているところが心憎い。

ISBN4-596-00449-8 ¥610+税

投稿者 Miyuki Noma : 17:39

January 07, 2006 Saturday 

目撃者

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アイリーン・ウィルクス ハーレクイン シルエット・ディザイア(D823)

ヒューストンの病院で緊急治療室の女医として勤務しているサラは、ギャング団の銃撃事件の目撃者となってしまったために、身辺警護を警察官のラズに依頼することになった。
二人は安全のためにラズの両親の別荘に身を隠すが、二人は次第に惹かれ合っていく。しかし、ラズには囮捜査官時代の辛い過去に囚われ、サラもまた子供のときの交通事故のトラウマに苦しんでいた。

…実はハーレクインのシリーズを読んだのは20年以上前である。今回、この作品を原作として描きおろしコミックスの仕事をすることになり、久しぶりに手に取ったのだが、カテゴリが「シルエット・ディザイア」ということもあってか主人公がきちんと自立していることやサスペンス仕立ての展開にとても魅了された。
男性キャラクターがとても魅力的である。

ミステリ好きの目で見てしまうと、後半に事件の核となる部分が説明しきれていなかったり細々と不備はあるのだが、ロマンス小説なのだからあまり五月蠅いことを言うべきではないだろう。(漫画化にあたってミステリ部分は補完させていただいた)

ISBN4-833-52967-X ¥610+税

投稿者 Miyuki Noma : 17:23